事業紹介

 アジア諸国は低い賃金と量産技術の導入により経済成長を続けています.今後,日本は他国が真似のできない技術を開発し,ハイレベルなモノづくり立国を目指さねばなりません.そのためには,創造性豊かなモノづくり技術者の養成が急務です.一方,埼玉では9兆円(2005年国内生産額実績予測,(財)光産業振興協会調査)規模の光関連産業が集結し,急激に伸びており県を挙げてこの育成に力を入れています.平成18年度には,経済産業省がその重要性を認め「地域新生コンソーシアム(3年間,約7億円)」に採択されています.地域ニーズに対応するためにも本事業の必要性は極めて高くなっています.光関連産業で革新的生産技術を生み出すには,ナノテク基盤技術が不可欠です.米国NSFの予想によれば,ナノテク市場規模は2015年までに約1兆ドルになります.しかし,日本の技術教育体制ではナノ基盤技術者の供給不足が懸念されます.よって,ここでも「グローバルナノファブリケーションを実践できる創造型人材の養成」は急務となっています.
 埼玉大学は理化学研究所と全国初の連携大学院を設立した実績を持ち,本事業では理化学研究所で「研究インターンシップ」を実施し,ナノファブリケーションの重要関連研究を体験させます.また,同研究所から客員教員を選定し,本事業に参画してもらう極めて独創的で新規性に富んだ事業です.教育分野は,埼玉県の地域ニーズに応え,光関連産業とし県内関連企業と連携して生産現場での「開発インターンシップ」を実施するユニークな教育プロジェクトです.
 創造性を鍛えるために,発想法の授業を取り入れるとともに,“課題発見型研究”を設けています.具体的には,次世代生産技術として重要となる超短パルスレーザ教育システムをグローバルナノファブリケーション基盤研究教材として用いた研究開発体験です.本システムは,様々な機械工学技術の結集であり,多角的視野から物事を考える能力とそれらを融合してまとめあげる能力が養える点で,新規性に富んだ独創的システムとなっています.さらに,本システムの周辺関連技術の中で重要な課題を見出し,独創性豊かな教育モデル開発を推進します.

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